横浜市は1月30日に、来年度の事業に向けた2018年度予算案を発表しました。
2018年度ですが、総額が1兆7300億円。
2017年度予算に比べ5%以上増えており、過去最大の規模となっています。
この中に、横浜市交通局が運営する市営地下鉄グリーンラインの混雑緩和に向けた施策に予算が割り当てられましたのでお伝えします。
グリーンラインの6両化に向けて推進!混雑緩和は2024年度が目標
2008年3月に開業した横浜市営地下鉄グリーンライン。
今年で10年目となる節目を迎え、6両化という大型投資が行われることがきまりました。
グリーンラインは日吉駅(港北区)からブルーラインと接続するセンター北、センター南両駅を経由し、中山駅(緑区)を結ぶ約13kmの地下鉄です。
リニアモーターカーの技術を使った地下鉄で、電車特有の騒音がないのが特徴。
そして、車両は他の電車と比べると小ぶり。
これは地下鉄のトンネルを掘る際の費用を落とすために小型化にしたとのことで、ブルーラインや東急線などとの相互接続はできない仕様となっています。
グリーンラインの混雑状況は乗車率200%越えに
さて、このグリーンラインですが、最も混雑するのは日吉−日吉本町間の朝のラッシュ時です。
乗ったことがあるかたはご存知だと思いますが、高田駅あたりからすでに満員となっています。その状況で、この日吉本町でものすごい大勢の方が乗り込んできており、新聞やスマホを見れないような状況になります。
なお、電車の乗車率ですが以下のとおりとなっています。
このペースで増えると、2025年度の予測では200%になることが判明しており、混雑緩和の対策が急務となっている状況です。
- 2008年は129%
- 2013年は171%
- 2014年は153%(混雑緩和のため、2編成を導入)
- 2016年は163%
グリーンラインがここまで混雑する理由ですが、横浜市北部に位置する都筑区・港北区・緑区の人口が大幅に増えていることが原因です。
- 緑区(中山駅):4.4%
- 港北区(日吉駅、日吉本町駅、高田駅):8.5%
- 都筑区(東山田駅、北山田駅、センター北駅、センター南駅、都筑ふれあいの丘駅、川和町駅):11.7%
横浜市全体の3%弱の増加と比べて、グリーンライン沿線は非常に多くのかたが移り住んでいることがわかります。
特に日吉本町駅近辺はマンションがおおく今後も開発が計画されているので、混雑はさらにひどくなる見込みとなっています。
2018年度は6両編成に向けた設計から!
このたび、横浜市が発表した内容によると、2018年度の予算案において横浜市交通局が運営する市営地下鉄グリーンラインの混雑緩和に向けて予算が割り当てられました。
2018年度に割り当てられた予算は「グリーンラインの混雑緩和策(6両編成化に 向けた設計) 52百万円」です。
グリーンラインを4両から6両編成にするにあたり、総事業費は131億円(概算)と見込まれています。
すでにグリーンラインの各駅のホームは6両の電車でも進入できるよう余裕を設けられています。このため、ホームの延長を行う必要はありません。
ただ、各駅においてはホームドアが4両分しか設置されていません。
また、川和町にある電車を整備する車両基地や、照明などを現状から見直しを行い6両編成の車両にあわせる必要があります。
2018年度はこれらの基本設計費として5,200万円が予算として割り当てられた次第です。
2020年度から工事スタート
実際には2020年度から駅や車両基地の工事を行う計画となっています。工事は数年にわたって実施されることが想定されており、工事中の間はホームの空きスペースに資材が置かれたりして乗り降りがしばらく困難になることが予想されます。
2024年度は17編成のうち10編成が6両化
とはいえ、横浜市も潤沢に予算があるわけではありません。6両化するにあたって必要なインフラは各駅・車両基地に用意するものの、現在稼働している17編成のうち10編成のみが6両化となる次第です。
過去にも予算が足りず6両編成を見送った背景もあったので、混雑緩和に向けて今後どれだけの予算が確保し続けられるかが課題となりそうです。
さいごに
なお、同じく横浜市交通局が運営するブルーラインですが、「あざみ野~新百合ヶ丘」間の延伸に向けて予算が1億700万円確保されました。将来の事業化に向けた延伸検討調査のための費用となっており、こちらも引き続き検討が進められていく予定となっています。