横浜市全域で自転車活⽤推進計画が進む!重点地区である「港北ニュータウン/都筑区」の取り組みとは?

2018年12月27日木曜日

横浜市全域

t f B! P L


自転車は便利で身近な乗り物として、様々な場面で活用されています。

特に自転車は環境への負荷が少なく、健康増進につながり、災害時にも活用が可能な交通手段です。


一方で、自転車の基本的なルールが守られておらず自転車関係事故も多く発生しており、また、一部の地域では放置自転車も依然として課題となっています。

そこで、横浜市では、歩行者や自動車、バスなどとの共存にむけて、自転車活用推進計画の策定にむけて取り組み始めているのでお伝えします。

本計画にあたり、港北ニュータウンは特に重点地区として取り上げられているので、ぜひ確認してみてください。




自転車活用に向けたこれまでの流れ

横浜市では、自転車施策を総合的に推進する計画として「横浜市自転車総合計画」を策定しています。

自転車総合計画のまもる、はしる、とめる、いかす の4つの枠組を継承しながら、国の動向や関連する計画等を踏まえて新たな視点を加え、「横浜市自転車活用推進計画」を策定しました。
国の法律・計画 
■⾃転⾞活⽤推進法(2017 年 5 ⽉)・⾃転⾞の活⽤による環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国⺠の健康増進等を図ることなど新たな課題に対応
・交通における⾃動⾞の依存の程度低減、交通体系における⾃転⾞の役割拡⼤
■⾃転⾞活⽤推進計画(2018 年 6 ⽉)・⾃転⾞の活⽤の推進に関して基本となる計画

市の主な関連計画横浜市中期4か年計画 2018〜2021 政策 20 市⺠に⾝近な交通機能の充実
・歩⾏者の安全確保や地域の利便性向上
・⾃転⾞施策の総合的な推進

横浜都市交通計画(2018 年改定)施策の⽅向
・歩⾏者空間・⾃転⾞の利⽤環境の整備
・公共交通や⾃転⾞の利⽤促進につながる環境整備
・マイカーから公共交通等への転換を促す啓発活動
・安全に移動できる環境の整備
・交通安全教育・啓発の推進

横浜市⾃転⾞活⽤推進計画計画期間︓2019 年度〜2028 年度

今回新たに策定された今後10年の推進計画では、6つの観点についてまとめられました。

「まもる」は自転車ルールブックの作成・活用、世代別の周知・啓発チラシの作成、中学生・高校生向け自転車交通安全教育の実施、思いやり SHARE THE ROAD 運動などイベントやキャンペーンでの啓発となっています。

「はしる」では、自転車通行環境整備指針の策定、新たな重点エリアの指定(戸塚駅・鶴見駅)、重点エリアの整備実行計画の策定などが盛り込まれています。

「とめる」では、使い方に応じた駐輪環境として駐輪場の附置義務制度の新設、地域主体の公共空間活用による駐輪場整備など。

「いかす」では、自転車を適切にいかすしかけとして、横浜都心部コミュニティサイクル
「ベイバイク」の利用促進、自転車活用情報の提供に関する検討がなされています。

  • まもる:交通安全教育の実施など
  • はしる:⾃転⾞通⾏空間の整備など
  • とめる:駐輪環境の向上など
  • いかす:⾃転⾞活⽤の推進など 
  • 健康/スポーツ:「ライフスタイル」にいかす
  • 賑わい・観光 /災害対応 :「まちづくり」にいかす

横浜市が発表している各取り組みについては以下をご参照ください。
URL:http://www.city.yokohama.lg.jp/doro/kotsujitensya/public/100.pdf

重点地区「港北ニュータウン/都筑区」の取り組み

現状:横浜市・都筑区の自転車利用の割合

横浜市ですが、市内で行われる全ての移動量のうち、自転車を利用する割合は約 8%です。

自転車の利用率は他都市と比較すると、
東京都市圏の他都市では、自転車の利用率は 13~20%程度。
横浜市の自転車利用率は低めとなっています。

また、区別の自転車利用率の違いですが、
自転車を利用する割合は、鶴見区、瀬谷区、金沢区、港北区、都筑区の順に高くなっています。


一方で、鉄道利用が多い西区や、青葉区、旭区など高低差のある内陸部の区では、自転車の利用率が低くなっているのが現状となります。

都筑区の課題

都筑区の港北ニュータウンは、土地区画整理事業で計画的に整備された街です。

港北ニュータウンでは自転車と歩行者が安全に暮らせるまちにむけて、交通安全の見地から歩車分離が図られ、自転車通行可の自転車歩行者専用道路や、緑道がすみずみまで張り巡らされています。

地区内の緑道を骨格として公園や民有地の斜面樹林などを連結させた緑の幹線は「グ
リーンマトリックス」と呼ばれ、街の独自の魅力となっています。

しかし近年の自転車利用の増加に伴い、自転車と歩行者の接触の危険性が課題となっていました。

そこで都筑土木事務所では、自転車を一方的に排除するのではなく、自転車と歩行者の双方が安全に通行できるよう、地域と合意形成を図りながら対策を行っています。

自転車にもグリーンマトリックスをいかす

自転車は車道通行が原則であり、緑道への自転車の乗り入れは制限行為ですが、港北ニュータウンでは「グリーンマトリックス」の豊かな空間をいかすことを基本に、自転車と歩行者の安全を図る対策が検討されました。

都筑区の対策の基本方針

自転車歩行者専用道路では引き続き自転車の利用を妨げないこと、緑道では一定区間を自転車通行可能なルートとして設定すること、幹線道路での自転車通行空間の整備を行うことを柱に、都筑区内の6駅周辺で自転車通行推奨ルートを設定しています。

また、同じ空間を自転車と歩行者が安全に共有できるように、自転車の通行位置や速度のルールを徹底すべく対策が図られています。

このような基本的な考え方と対策の方向性は、地域や関係団体との合意形成を経て「都筑区自転車・歩行者安全事業計画」としてまとめられています。

地域とともに改善を進める都筑区

自転車歩行者専用道路や緑道で、自転車の通行位置や押し歩きなどを示すにはどのような標示が有効なのかを調べるため、都筑土木事務所では 2015 年度に駅周辺や緑道で
の路面標示等による実証実験を行いました。

住民へのアンケートや現場の観測により、路面標示の見やすさ、大きさ、表示内容のわかりやすさを調査し、その結果に基づき、2017 年には景観との調和を意識した色合いに変更し外国語表記を加えるなど、標示の見直しを行っています。


また、通行マナーの周知を図るリーフレットを作成し、区内全市立小・中学校の児童・生徒への配布をはじめ、スクールゾーン・防犯対策協議会や区民を対象とした各種イベ
ント等で説明するなど、マナー啓発を進めています。

このように港北ニュータウンでは、行政と地域がともに試行錯誤を重ねながら、「グリーンマトリックス」をいかして自転車も歩行者も安全に暮らせるまちを目指し、様々な対策を進めています。



さいごに

横浜市はこれまで人口が増加し続けてきたことで、他の政令指定都市と比較して市内の都市計画道路の整備率や道路網密度は低く、周辺道路の混雑度は高い状況となっています。

駅前の一部では、放置自転車が依然として発生している地域もありますが、自転車であれば環境に優しいだけでなく渋滞が発生しにくいため、身近で便利な交通手段として注目をあびています。

またスポーツとしても有効で、
ランニングや水泳等よりも体への負荷が低いため、サイクリングやポタリング(自転車散歩)などは気軽に行える有酸素運動として余暇活動の手段ともなっています。

この機会にぜひ、近距離(5km)の移動に活用してみてはいかがでしょうか。


検索

最新の記事