横浜市都筑区にある(横浜市資源循環局都筑工場)は1979年に建設工事が始まり、1984年より稼働し続けています。
当初はオレンジと白だった煙突も、近年は青と白に塗り替えられ、都筑工場の煙突は地域のシンボルとしても定着しています。
清掃工場として毎日ゴミなどを償却してきた都筑工場ですが、2028年度に寿命を迎えます。隣接する都筑プールの営業継続など気になったので状況についてお伝えします。
ゴミ焼却工場である都筑工場が2028年度に寿命に
横浜市にあるゴミ焼却場について
ごみ問題の解決のためには、ごみの発生抑制や再利用・資源化を推進することが大切です。一方で市内のさまざまな経済活動の維持や、市民の生活環境の保全のために、焼却工場は不可欠な施設です。
横浜市には、5つのごみ焼却場があります。
そのうち稼働しているのは4か所、保土ヶ谷工場は2010年度より稼働を休止しています。
- 都筑工場(最大処理能力日量1200t)
- 鶴見工場(最大処理能力日量1200t)
- 旭工場(最大処理能力日量540t)
- 金沢工場(最大処理能力日量1200t)
- 保土ケ谷工場(休止中)
横浜市では市内の各家庭などから出た約4000t/日のゴミを処理しつづける設備を維持し続ける必要があります。
ですが、都筑工場も建設開始から40年、稼働しはじめてからは35年経ちました。
当たり前のようにあった2028年度には50年目を迎える都筑工場は寿命を迎えます。
※横浜市の焼却工場の寿命は、長寿命化の工事を施して35年もたせることとしている。都筑工場が老朽化に伴う休止を迎えるにあたって、横浜市では「新しい工場の整備が必要」との認識を示しはじめました。
(実情は、さらなる大規模改修を実施。35年以上使うことができるようにメンテナンスがなされています)
具体的には、現在はゴミ収集の中継施設としてのみ稼働している保土ヶ谷工場のゴミ焼却施設の復活です。
横浜市では、2024年度より工事着工を目指すとのことで、今後、休止などについても具体化がなされていきます。
ゴミ焼却の余熱がなくなる!都筑プールの営業はどうなる?
都筑工場に隣接する都筑プールは1年中利用が可能な温水プールです。ゴミ焼却の余熱を利用した温水プールは、通年で利用できるため地域の方々が多く訪れる人気の施設です。
都筑工場が寿命を迎え、ゴミ焼却機能がなくなった後の都筑プールはどうなるのでしょうか?
保土ヶ谷プールは焼却施設が休止後も営業中!その理由は?
その答えはゴミ焼却施設である保土ヶ谷工場隣接の保土ヶ谷プールにありそうです。すでにゴミ焼却を休止している保土ヶ谷工場ですが、隣接する保土ヶ谷プールでは今もなお温水プールを営業しています。
実は保土ヶ谷プールでは、焼却工場の休止にあたって新たに水を温めるボイラーを導入してます。
そして、燃料として購入した白灯油を燃焼させてプールの水を温める蒸気をおくりこむことで、焼却工場に代わって水を温めています。
保土ヶ谷工場にはプールのほかにも老人福祉施設が隣接していることもあり、温水を継続して利用ができるようにする必要があったとのことです。
都筑工場の概要
<工場概要>
名称:横浜市資源循環局都筑工場
所在地:〒224-0064横浜市都筑区平台27番1号
アクセス:横浜市営地下鉄グリーンライン『都筑ふれあいの丘駅』下車 徒歩5分
敷地面積:約64,218m2
建物延床面積:約28,692m2
着工年月日:昭和54年12月24日
竣工年月日:昭和59年3月31日
稼働年月日:昭和59年4月1日
焼却能力:1200t(400t/24h×3基)
煙突:地上130m、吹出速度平均30m/s
総工費:約287億円
(用地費84億円、建築費94億円、築炉費109億円
<都筑工場の見学方法>
工場見学できる日時:
月曜日から金曜日の午前9時から午後0時、
午後1時から午後4時30分
(入館は午後4時まで)
申し込み方法:
工場へ電話かFAX
(希望日・住所・氏名・電話番号・人数を明記)でお申し込みください。
(TEL:045-941-7911、FAX:045-941-7912)
(航空写真は工場開設当時の写真)
さいごに
当時の横浜市では、市民プールはニーズが高く必要と判断したため、保土ヶ谷プールはボイラーを追加購入して迄営業が続けられた次第です。とはいえ、10年後の2028年度には横浜市民の減少が始まっています。
また、年間20億円近くかかる市営プールの維持費は大きな財政負担となっています。
そのため、横浜市では利用が減っている公園の屋外プールをを中心に運営中止について見直しがはじまっています。
都筑区にある市営プールも精査され、無くなっていく可能性もありそうです。
- 都筑プール/屋内
- 横浜国際プール/屋内
- 茅ヶ崎公園プール/屋外
- 山崎公園プール/屋外
健康促進および地域に役立つ施設である屋内プールはぜひ残してほしいところですが、今後の動向が気になります。